関節の位置や負荷のかかる方向によって、それぞれの種目は動作を行うときに最も刺激や負荷のかかる瞬間が異なります。
これらの色々な種目を利用して筋肉に異なる新鮮な刺激を送り込むトレーニング法をPOF(Position Of Flex)法と言います。
POF法は1つの部位に対してミッドレンジ種目・ストレッチ種目・コントラクト種目の3つを少なくともそれぞれ1種目以上ずつ取り入れて行うトレーニング法です。
一般的には
ミッドレンジ種目 → ストレッチ種目 → コントラクト種目
の順にやっていくのがよいとされています。
ミッドレンジ種目・ストレッチ種目・コントラクト種目それぞれの特徴を知ればなぜこの順番で行うことがよいとされているのか、どんなところに注意しながらトレーニングを進めていけばより効果的なのかがわかってきますよ!
ミッドレンジ種目
動作の中間で一番負荷がかかる種目。
主にベンチプレスやスクワットに代表されるような高重量で行う複合関節種目のため、筋肉が疲労していないトレーニングの序盤に行う。
爆発的に大きな力を出すことを意識する。
ストレッチ種目
筋肉がストレッチされた時に一番負荷がかかる種目。
2番目に行う理由は消去法によるもので、中重量で筋肉の伸び縮みを意識しながら行う。
可動域を大きくとり、特にネガティブはゆっくり丁寧に。
コントラクト種目
筋肉が収縮した時に一番負荷がかかる種目。
パンプアップを狙って血流を抑制し、乳酸を溜め込む。
高重量を扱わずに低重量・高回数で最後に追い込みとして行うのが効果的。
動作のトップでは筋肉のピークを高めるような意識(縮こまった筋肉に高さを出すような意識)でギュッと絞り込む。
1つの部位に対してこれら3つのタイプの種目を取り入れながらトレーニングするPOF法が筋肥大に効果的であると言われています。
では、いくつか代表例となる種目を載せてみたので、それぞれの部位ごとにどんな種目があるのか確認してみましょう。
脚の種目
ミッドレンジ種目:スクワット、レッドプレス、デッドリフト
ストレッチ種目:シシースクワット、ルーマニアン・デッドリフト
コントラクト種目:レッグエクステンション・レッグカール、カーフレイズ
背中の種目
ミッドレンジ種目:デッドリフト、懸垂、ラット・プルダウン、ベント・オーバーローイング
ストレッチ種目:シーテッド・ローイング、ケーブル・プルオーバー
ネガティブ時に体を意図的に丸めてあげるとよりストレッチが効きます。
コントラクト種目:ケーブル・ストレートアーム・プルダウン
引ききって収縮したところでギュッと閉めて2秒ほどキープさせてやるとよい気がします。
明確にこの種目がストレッチ種目で〜これがコントラクト種目で〜と定義しづらいのが背中の種目です。
背中の筋肉は平行筋が多いので、ストレッチ・コントラクト共にしっかり可動域を確保して筋肉を伸び縮みさせてやるとよいと思います。
胸の種目
ミッドレンジ種目:ベンチプレス、チェストプレス、インクライン・ダンベルプレス
ストレッチ種目:ダンベルフライ
コントラクト種目:ペックデック、ケーブルクロスオーバー
肩の種目
ミッドレンジ種目:ミリタリープレス、ショルダープレス、アップライト・ローイング
ストレッチ種目:インクライン・サイドレイズ、ライイング・リアレイズ
ベンチなどを使って体に角度をつけると、普段では体に当たってストレッチしにくい部分までアプローチをかけることができます。
コントラクト種目:サイドレイズ、リアレイズ、フロントレイズ
ストレッチ種目のように体側に角度をつけないように動作を行うと収縮要素が強くなります。
上腕三頭筋の種目
ミッドレンジ種目:ナローベンチプレス、テイトプレス、ケーブル・プレスダウン
肘が体の前〜体側にある状態で行われる種目。
ストレッチ種目:ダンベル・フレンチプレス、オーバーヘッド・トライセプス・エクステンション
腕を挙げて肘が後ろにある状態で動作が行われる種目がこれに当たります。
文では伝わりにくいので写真で。
コントラクト種目:ディップス、ダンベル・キックバック、ワンハンド・ケーブルプルダウン
肘が肩よりも後ろにある状態で腕が伸ばされる種目。
上腕三頭筋の種目に関しては、別の記事で今回のテーマであるPDF法を取り入れて紹介しているのでこちらもチェックしてみてくださいね!

上腕二頭筋の種目
上腕二頭筋の種目は、動作を行う時に肘がどの位置にあるかで負荷のかかり方が変わってきます。
ミッドレンジ種目:バーベル・アームカール、ダンベルカール
ストレッチ種目:インクライン・ダンベルカール
肘が肩よりも後ろにある状態でネガティブ(ストレッチをかける時)を迎える
インクライン・ダンベルカール
コントラクト種目:コンセントレーションカール、スパイダーカール、ヘラクレス・カール
肘を体の前に出して行います。
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